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「みたままつりの意味」

***  祖霊の役目と子孫の役目  ***

 葬儀の後、仏式では初七日、四十九日、一周忌、三回忌などを年忌、神道では十日祭、五十日祭、一年祭などを霊祭(みたままつり)・年祭として行います。
この時、「故人に対する法要」「祖霊に対する慰霊」を行うのは、家族親族の当然の務めであると言われます。それは当たり前でしょうが、ただ悲しみ、ただ慰霊をすれば良いのでしょうか。
 実は、葬儀葬祭霊祭には、みたまを中心としてあらためて親族の絆を確かめ深めるという大切な機能があります。知人や友人を除き、その場に参列している親族は全てみたまの血に繋がる共同体です。その時、祖霊はその絆の中心にあり、祖霊を囲んで親族全員がその絆に結びつけられています。絆の中心としてしっかりと親族を包み込むことが祖霊の役目であり、絆を確認し合い深め合うことが子孫の役目です。それがみたままつり・冠婚葬祭儀式の意味であり、単なる社会儀礼とは異なるところです。
 自らがこの世を去った後、家族親族がいがみ合い分裂することを望む人はいないでしょう。みたまのおまつりを続けられることは即ち、親族の絆がしっかりしている証しであり、それこそみたまが望むことに他なりません。
(宮司からの託け)

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